あゆのすけの成長記録

私塾コースの練習記録とクロッキー予定表

プロ養成コース 1月2回目「名作シーンの再現:屋外」

こんにちは、あゆのすけです。
今回の課題は「名作シーンの再現”屋外”」です。
前回、アニメの名作シーンを題材に選んでカメラ配置やパースの謎に大苦戦したので、今回は実写映画のワンシーンから選ぶことにしました。
この「蝉しぐれ」という作品は、藤沢周平さん原作の時代小説を黒土三男監督が映画化したものです。お友達が「すっごくいいよー!」と教えてくれて観てみたら、すっかりハマってしまい、8月からフィルムスタディの題材として毎日勉強させてもらっています。(そして、まだ終わっていない…!)

 

1.シーン選び方
写真の中に人物を描きこむ課題なので、背景となる再現写真を撮るためには、アイレベル被写体までのカメラ距離が選んだシーンから割り出せなければいけません。また、複雑な地形のシーンも再現するのが難しいです。

・カメラ固定の状態で人が移動するシーン(アイレベルがわかる)
・地面が平らそうに見えるシーン

を映画の中から探した結果、奥から手前に向かって人物が斜めに歩いてくるシーンを選びました。

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映画「蝉しぐれ」(黒土三男 監督)より

 


2.アイレベルと消失点の見つけ方
まず映像を見ながら、一番奥から手前まで何歩歩いたかを数えます。
そして、歩幅の目安は「身長×0.45」オムロンのHP「よくある質問」より)ということなので、画面の奥から手前までのおおよその距離が計算できます。
(登場人物を演じている七代目市川染五郎さんの身長が176㎝)

アイレベルは奥から手前まで移動しても位置の変わらない高さなので、それも映像から見つけます。だいたいすねのあたりでした。
また、頭や腰の軌跡から、右側の消失点の位置もだいたい求めることができます。

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こんな感じで重ねるとパースがわかりやすい。


3.被写体までのカメラ距離
さて。ここで問題になってくるのは、カメラはどの位置から撮影しているのか?という問題です。映像から計算しようと思えば不可能ではないとはおもうのですが…難解です。

そこで、このシーンをフィギュアで再現してみることにしました。
リアルサイズで手前から奥までだいたい8mほど、アイレベルは30~40㎝程度ではないかと計算できました。
フィギュアサイズに縮尺返還して、二体のフィギュアを8m相当の位置に立たせてみます。
そして、映画のシーンと同じになるようにカメラ位置を探ります。
ぴったり一致したカメラの場所が、まさに、カメラ位置!!!(当たり前)
カメラの高さと被写体までの距離を定規で測り、実寸に変換すれば再現撮影用のカメラ条件となるわけです。

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フィギュアでまずは撮影して見当をつける。 ぴったり重なる♪

 

4.いざ撮影!
前回の課題の時に、背景の写真に対して人物が小さすぎるという指摘を受けました。確かに…その点の詰めが甘かったと思います。
今回は、基準や目安になりそうな高さや長さを現地で測定し、画像の中に写りこむように目印も付けました。(紙を貼ったり、風船を付けたり、なるべく複数個所)こうしておくと、後で写真の中に人物を描くときのサイズの目安になります
撮影はお昼前に行いました。朝や夕方は、太陽の位置が低く逆光になったり白飛びしたりする可能性が高いからです。

暖かい時間帯だったので、お散歩の人やお昼を食べてる人もそこそこいて、カメラの高さ35㎝ほどにセットして這いつくばるように撮影している私は完全に不審人物…💦
でも、中には興味津々に「何してるの?!って声をかけてくれる人も!それはそれで返答に困るんですけどね。

撮影は2回挑戦して、なかなかいい写真が撮れたと思います。
反省点は、人物を画面のどの辺に描くかを決めてから、撮影すればよかったな…という事です。カメラ条件の合う写真を撮ることに精いっぱいで、最終的に出来上がるものにまで考えが至らなかったのは、まだまだ至らぬ点です。

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撮影した写真。映画シーンと重ねてもいい感じ!

 


5.人物を描こう!
まずは、写真の中にアイレベルの線を描きこみます。
水辺の歩道は少し曲がっているので、パース定規のパース線は参考程度にしました。
それよりも、手すりの高さを参考に、どの位置だったら人物はどのくらいの大きさ…ということを注意することにしました。

「身長130㎝の女の子が歩道を元気に走ってくる」という絵にすることにしました。
斜め走りの課題の復習も兼ねています。
なるべくキャラに寄せするように、キャラ表の女の子を同じサイズですぐ近くに表示しながら描きました。
最初、いきなり斜め走りのポーズを描いたのですが、どうも上手くいきませんでした。一度横図を描いて、それを参考にしながら斜め走りを描いたら、今度は割と自然な走りが描けました。やっぱり、面倒がらずに手順を踏むことが大事なんですね。

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こんな感じで、写真の中に寸法情報を入れていきます!

 

6.最後のひとふんばり。
斜め走りの女の子も描けたし、これで提出しようとファイルまで用意したところで、レイアウトに違和感を覚えました。
女の子のベストポジション、ここじゃないよね?東屋と近すぎるし、女の子はもっと中心で大きい方がいいのでは?

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ボツ案


そこで、女の子を真ん中(手前方向)に移動させ、パース空間に合うように大きくしました。
でも、女の子の位置が少し高すぎる?画面のトリミングの位置を変えてみる?(でもそうすると、アイレベルの配置がオリジナルからずれてしまう…どうしよう)…と、いろいろ悩んだのですが、トリミング位置を変えることで絵としておさまりが良くなるのなら、多少オリジナルと違ってしまってもいいのではないか?と考え、最終的にはこのようなところで落ち着きました。

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これで提出!

 

 

課題もあと4つ!
最後までがんばりまーす!!