あゆのすけの成長記録

私塾コースの練習記録とクロッキー予定表

プロ養成コース 10月1回目「向かい合う二人・後ろ30度」

こんにちは。あゆのすけです!
先月に引き続きパースの課題です。
椅子の時は一人でしたが、今月は人物が二人登場します。これは…難易度がぐっと上がる!

 

1.課題の本質は?
課題の人物の配置、カメラの角度などは与えられています。
アイレベルと基準点までの距離は自分で設定します。
条件が与えられているなら簡単・・・かというと、大間違いで、じゃぁ、このような条件を紙の上に表現しようとしたとき、どのように見える(描ける)のか?!というのが、大問題になってきます。
まずは、その大問題に取り組むことから始めます。始めるというか…それがほぼ全てといっても過言ではないような…そんな課題です。

今回は、二人の距離が2m離れていますので「様々なパースの条件で2mの立方体を描く」という課題に置き換えることができます。


2.撮影的アプローチ
計算で作図するアプローチもあるのですが、設定寸法が与えられているのなら、その条件で撮影するのが一番明確で正解に近いわけです(それは先月思い知った)。また、自分でフィギュアを配置して、カメラ位置を決定して、角度などを調整して…という実際の体験と撮影結果がリンクすることで、パース感覚がよりリアルなものとして身につくということも、あるのかな?と思います。確かに計算は便利ですが、特に初心者にとっては、リアル体験とともにつみ重ねた経験は定着度が違ってくると思います。(今までのあらゆる経験からそう思います。)


というわけで、撮影しました!
使用したのは、15㎝のフィギュア2体とグリッドを描いた画用紙など。
縮尺は15㎝のフィギュアを170㎝と想定して考えました。

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撮影のセッティング

撮影したのは、基準点までの距離5m、アイレベル(EL)2m、1m、床面に相当するセッティングです。(テスト撮影の段階で、私のスマホでは基準点までの距離2mの写真は画面に収まりきらないことが判明。今回は5mのみの撮影としました。)写真をよく観察して、床面の見え方、二人の大小比、などを頭に叩き込みます!

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基準点までの距離5m、アイレベル(EL)2m、1m、床面

 


2.作図(計算含む)的アプローチ
カメラから基準点までの距離2mのケースのように、手持ちの道具で撮影できない条件の場合もあります。撮影せずに描ける方法も模索しようと思い、試行錯誤してみました。

今回のように、寸法に関する設定が与えられている場合、アイレベルの線を描くまでは非常に簡単にできます。問題は、例えば、6m離れたところから30度の角度で立方体を描きたいと思ったときに、消失点をどこに取ればいいのか?という問題は、簡単には答えられないでしょう。私もそこで困りました。

【すごく泥くさい方法】
方法はなくはないです。ただ、すごく手間がかかり泥臭い方法です。

1.画面の好きな所に(中央付近が良いのでは)2m相当の棒を描く。
2.2mの棒の大きさを参考にアイレベル(EL)を決める
3.1点透視図法の空間を作るため、2mの棒(およびその延長線)とアイレベルの交点を1点透視図法の消失点(VP)とする。

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50センチのソーセージが4本つながったものを描いてみた。


4.2mの棒の足元の点(ここを原点と定める)を中心に水平線に平行な2mの正方形を描く。奥行き方向の辺の位置については

ayunosuke.hatenablog.com


の「5.床面の見え方の計算を考えてみる」を参照のこと。
(この正方形が描ければ、このパース条件における床面グリッドが描けますね。)

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奥行き方向に長く見えるけど、これは正方形。基準点までの距離3mで描いてます。


5.床面の正方形を30度回転させます。この時、原点Oをる直交した2本の線がどの位置を通るかを考えて目印をプロットし線を引くと、30度回転させた後の直行した2本とアイレベル(EL)の線との交点が30度回転させた立方体を描く際の消失点(VP)2個となります。

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1点透視図法から2点透視図法への変換!!消失点が二つ決まった!!


6.1点透視図法のパース線に合わせて原点を中心とした半径1mの円を描いておけば、直径は常に2mなので、回転させた後の立方体の1辺の長さがそこから取れます。

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同心円は距離を測るのに便利。


7.立方体が描けました。

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立方体!かなり広角な感じですね。


8.人を配置すれば、はい、課題(イメージ)のできあがり♪

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課題(イメージ)長いソーセージを見つめあう二人。

多分、グリッドを回転させるところで混乱する方が多いんじゃないかな~と思います。が、これは質問されても文字で説明するには限界があるので、がんばって頭をひねってやってみてください!私は助けられません。

 


3.練習など
前回同様、パース空間を作る練習と、パース空間内にキャラを乗せる練習は分けて考えました。
3-1.キャラを空間に乗せる練習
いつも通り、過去添削をトレス&模写練習したり、自分で空間を描いてそこにキャラを乗せてみたりしました。

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トレスと模写(カメラは水平)

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自分で箱を描いてから中に人を詰めてみました。

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後姿がうまく描けなくて集中練習。


3-2.空間を作る練習(30°回転)
写真からの模写。広角と望遠で何がどう違うのかをしっかり認識!!

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広角と望遠を描き分けてみた。

2のやり方で色々描きました。

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パース祭り!3mと6mのカメラ距離で、アイレベルを50㎝ずつ振って描きました。

 

4.課題
今回提出した課題では、アイレベル(EL)=2m カメラから基準点までの距離6mとしました。立方体の作図は2のやり方で描いてみました。視線を合わせるのも課題の一部なので、子どもと大人の組み合わせにしました!いつも大人キャラばっかり描いていたので新鮮です。

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箱を描いて…

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人物を乗せて

 

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清書して提出!

5.次回に向けて

今回の課題でパース空間の作り方をかなりじっくりやったので、次の課題(45°斜め)では、パース感覚をもっと強化することと、キャラをパースに乗せる練習を重点的にやってみたいと思います!