あゆのすけの成長記録

私塾コースの練習記録とクロッキー予定表

プロ養成コース 9月2回目「椅子と人 ・アオリフカン」

こんにちは、あゆのすけです!
9月2回目の課題は、「椅子と人・アオリまたはフカン」です。
前回は縦パースのつかないシンプルなパース空間での「椅子と人」でしたが、今回は場合によっては縦パースがついてきます!また、体の上端と下端で見える水平面の形も大きく変わってきます。これは…難しそうです!!

前回の課題でも痛感したのですがパース空間を作る(今回の場合、椅子を描く)練習パースに人を乗せる(椅子に人を座らせる)練習は、区別して練習をした方が良さそうです。両方同時にやろうとすると、正直めちゃくちゃ頭が混乱します。


1.アオリフカンポーズの復習
4月2回目の課題である「アオリ・フカン」の復習からまず始めました。
4月の時よりは、若干描きなれてきたように感じましたが、まだまだ難しい!

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アオリフカンの練習。模写ではキャラ乗せ!


2.パース空間の勉強など(パース空間を作る)

2-1 計算によるアプローチ
アオリフカンは、場合によってはアイレベルが地面より下にあったり、脚立を使っても届かない高さに設定される場合もあります。だったら、ある程度の寸法を計算できたらすごく便利なんじゃないか?と思い、自己流で色々と式をこねくり回したりしていました。勉強の際、参考にしたサイトは以下の二つです。

遠近法の計算

パースフリークス

カメラの向きを水平にして考える場合は式も考え方もそんなに複雑にはならないのですが、カメラの向きを水平から上下に振ったとたん、とても複雑になってしまいます。また、カメラ(スクリーンへの象の射影)と人間の目(視線の動きはカメラの向きが変わることに相当する)との違いにも注意することが必要です。何が言いたいのかというと「アオリフカンのパース空間の数学はとても複雑」ということです。

色々と手を動かし勉強した結果「自分で参考写真を撮るのが一番早くて正確」という結論に至りました。もしくは、3Dツールが使える方はそちらが良いかと思います。

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こんな感じでいっぱい考えました。


2-2 自分で計算して描いた箱に人を座らせる
課題への取り組みの中で「縦パースの付かない条件(1点透視図法)で箱を描いてそこに人を座らせる」ということもしてみました。
カメラからイスまでの距離(以下「カメラ距離」とする)を2mと5m、カメラの高さを0, 50, 100, 150 cmという条件で一辺40㎝の立方体を縦方向に3つ重ねた図がこちらです。

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縦パース無しの箱各種。

ここに人を座らせてみたのがこちら。立体感の表現が難しくトレスと模写の必要性を痛感しました。

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むずかしいな!!


2-3 どんな時に縦パースが重要になるのか
遠近のある空間内で大事なのは「遠くのものほど小さく見える」の法則です。
カメラ距離が2mと5mを比べた場合、奥行き方向の圧縮は2mの方がより顕著になります。立方体の奥行きを考えた場合、2mに対する40㎝と5mに対する40㎝では、相対的に2mの方が40㎝の割合が大きいからです。
同じ理由で縦パースの場合も、2mの方がより影響が大きくあらわれます。
カメラ距離の長い望遠の場合は、縦パースはほとんど考えなくて良く、逆に、縦パースの効いた臨場感のある絵が描きたい場合はカメラ距離を短く設定する必要があるようです。


2-4 カメラの角度(上下方向)による見え方の違い
カメラ距離2m相当・アイレベル床付近で椅子と人を撮影しました。カメラの向きを水平にして撮った場合とカメラの向きを頭付近に向けた場合ではどのように見え方が違ってくるでしょうか?

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カメラ距離とアイレベルは同じなのにカメラの角度が違うと写り方も違う!!

この二つを比較すると、頭の大きさが結構違うことがわかります。椅子と人の象を写しているスクリーンの傾きが違うからです。なので、透視図法を用いるときはカメラの向きは固定して考える必要があります。自分で計算する場合、この条件を間違えてしまうと間違った計算結果になってしまうので注意が必要です。

一方、カメラ距離が5mの場合、2mほど縦方向のパースは効いてきません。(ちょっとは影響があります。)
なので、カメラの向きとか面倒くさい!という人は、一つの逃げ道として望遠で描けばいいんじゃないでしょうか。

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写真をトレスしたもの。こんな感じで違ってきます。


2-5 パース感覚の育成
どうしたらいいんでしょうね~。近道はなさそうなので、自分で描いたり、他の人の絵を分析したり、パースを意識した写真を撮ってみたり、地道に努力するのがいいのかな…と思います。パースに王道なし。

 


3.椅子と人のトレス模写練習(パースに人を乗せる)
色々考えた末、やはりトレス模写の練習だな…と思い至りました。
考える前は、何を目的としてトレス模写をすればいいのかぼんやりしていましたが、「パースに人を乗せる技術の修得」を目的としてトレス模写練習をすることにしました。

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疲れてる日はトレスのみの練習!

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カラフルにすると楽しい♪

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椅子とキャラの色を補色の関係にしてみたり。



4.課題への取り組み
今回は、カメラ距離2m椅子の角度45度の設定でアイレベル0㎝と150㎝の二つのポーズで課題を描くことにしました。2mにしたのは、若干の縦パースも取り入れたかったからです。

(1) 参考写真を撮る。
計算はあきらめたので、サクっと参考写真を撮ります!
15㎝フィギュアに合わせて1辺40㎝相当の椅子を紙工作で作りました。
撮影はスマホのカメラです。

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参考写真

(2) ざっくり素体を描いて一晩寝かせる

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体の向きに気を付けてざっくりと。

(3) 素体のブラッシュアップをする。椅子は清書する。

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おかしなところを直していきます。

(4) 素体のブラッシュアップ・清書
(5) 提出!!!!

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提出しました!!!!


5.おわりに
今回は沢山頭を使ったので、とってもしんどかったです…しかし、これからパースに関する課題に突入するので、とても良い基礎作りになったと思います。パース理論の勉強は、年内をめどに焦らずぼちぼちやっていこうかと思います。理論に偏らず、そこで学んだことを実践に活かすことができたら一番いいんですけどね!その辺は無理のない範囲で。
次回は、一つのパース空間内に二人の人物を描く課題です。これまた難しそう…がんばります!!!